【設計】採用強化に効く“見せるオフィス”の作り方|Z世代視点からの空間設計
1. “見せるオフィス”が採用競争力に直結する時代
採用市場が激化する中、企業の提供するオフィス環境は“働く場所”から“企業価値を伝えるメディア”へと変化しています。
特にZ世代にとって、仕事選びは収入や待遇だけでなく、「どこで、どんな雰囲気の中で働くか」という体験価値が重視される傾向があります。SNSで職場の様子が共有される今、オフィスは企業のブランドイメージを体現し、候補者への“第一印象”を左右する重要な接点となっています。
さらに、オフィスは企業文化を象徴する物理的な環境でもあり、入社後のモチベーションやコミュニケーションにも影響します。採用活動における“見せるオフィス”は、単におしゃれな空間をつくるのではなく、企業が大切にしている価値観や働き方を伝えるための戦略設計が必要です。
本稿では、Z世代が魅力を感じる空間のポイントと、採用力を高めるオフィスづくりの実践方法を解説します。
2. Z世代がオフィスに求める価値観を理解する

Z世代はデジタルネイティブとして育ち、働く環境にも独自の価値基準を持っています。
企業は単なる利便性ではなく、空間デザインや居心地、コミュニケーションを促す仕掛けなど、多面的な視点でオフィスづくりを見直す必要があります。
(1)“働く体験”としての空間価値を重視する
Z世代は、オフィスを「作業場所」ではなく、“働く体験が生まれる場”として捉える傾向があります。視覚的な刺激、落ち着いた集中環境、ソーシャルなコミュニケーションのしやすさなど、空間から受け取る印象を総合的に評価します。
特に、照明、素材、香り、音環境など、五感に訴える要素は企業らしさが伝わる重要なポイントです。
(2)多様な働き方が尊重される環境を求める
リモートワークやフレックス制に慣れているZ世代は、自らの働き方に合った場所を自由に選べる環境を好みます。固定席に縛られず、集中・会議・リラックスなど、目的に応じてエリアを使い分けられるオフィスは高い評価を得ます。
企業側は、柔軟性と快適性を重視したレイアウトにすることで、Z世代のニーズに応えることができます。
3. 企業の世界観を伝える“ブランド設計”としてのオフィス

オフィスは企業文化や価値観を視覚的に伝えるブランディング空間として機能します。
Z世代は企業の世界観や社会的姿勢にも敏感なため、空間デザインとの一貫性が重要です。
(1)企業理念を体現するデザイン要素の統一
企業ミッションや価値観を空間に反映させることで、来訪者は視覚的に「この会社の世界観」を感じ取ることができます。壁面アート、色彩、照明、家具のテイストなどを統一することで、オフィス全体に一貫性が生まれ、企業独自の“空気感”が形成されます。
特にエントランスやラウンジは外部の人が最初に触れる場所であるため、ブランドを象徴するデザインを最も効果的に配置できるエリアです。ここで好印象を与えることで、企業文化への興味や期待感を高める効果があります。
(2)ストーリーを感じるレイアウト構成
Z世代は単なるデザイン性だけでなく、「なぜこの配置・構成なのか」という背景にあるストーリーを重視します。たとえば、集中エリア・協働エリア・発信エリアをワークプロセスに沿って配置すると、空間そのものが企業の働き方や価値観を語るメッセージになります。
また、動線の流れや場面転換にコンセプト性を持たせると、訪れた人が自然と企業の文化を理解できる仕組みになります。空間全体にストーリーがあることで、候補者は「この会社は何を大切にしているのか」を直感的に捉えられ、採用の意思決定にも良い影響を与えます。
4. SNS時代に求められる“映えるオフィス”のつくり方

Z世代は視覚情報を重視し、SNSで得た印象を企業選びにも反映します。そのため、オフィスは「実際に働く場」であると同時に、SNS上で企業の魅力を発信する重要なブランド資産として機能します。
意図的に“映える空間”を作ることで、自然発信による認知拡大や採用力向上が期待できます。
(1)視覚的に印象を残すデザインポイント
ロゴウォール、アート、グリーン、アクセントカラーを取り入れたエリアは、訪れた人の記憶に残りやすい視覚的メッセージとなります。特に、企業の価値観とリンクしたデザイントーンがあると、「この会社らしさ」を強く印象づけられます。
また、照明や素材の質感を工夫することで、写真映えと空間の心地よさを両立させることができ、来訪者だけでなく社員にとってもモチベーションの上がる空間になります。
(2)写真映えするスポットを意図的に設計する
SNSに自然と投稿される空間をつくるには、写真を撮りたくなる“象徴的なスポット”をいくつか用意することが効果的です。背景となる壁の色、照明の角度、家具の配置などを工夫し、視覚的な一体感を持たせることで、撮影される頻度が高くなる=拡散力が高まるという好循環が生まれます。
また、社員のプロフィール写真や動画撮影にも使える空間があると、採用広報やブランディングの幅が大きく広がります。
(3)SNSで“語りたくなる要素”を仕込む
Z世代は単におしゃれな空間よりも、「この企業、面白い」「共感する」と思えるストーリー性に強く反応します。そのため、空間のどこかに“語りたくなる仕掛け”を盛り込むことが、SNS時代の採用戦略として非常に効果的です。
<SNS発信を促す要素の例>
- 企業の価値観を象徴するアートやメッセージライン
- 遊び心のあるフォトスポットやユニークな什器
- 会社独自のカルチャーを表すアイコンを配置
- 季節やイベントごとに変化する装飾演出
- 写真を撮りたくなる照明やカラー設計
これらは単なる装飾ではなく、候補者に企業の“空気感”を伝える重要なブランディング要素になります。SNSで拡散されれば、採用母集団の拡大にも直結します。
5. オンライン採用に強い“デジタル対応オフィス”とは

採用活動がオンライン・オフラインを行き来する現在、オフィスのデジタル対応力は採用競争力に直結します。候補者との「最初の接点」である面接や説明会の品質は、企業への信頼感に大きな影響を与えます。
ここでは、オンライン採用を強化するために必要なオフィス要件を整理します。
(1)オンライン面接・説明会に適した会議スペース
オンライン面接は企業の第一印象を決定づけるため、空間の品質が採用成果に直結します。高品質な映像・音声環境、適切な照明、安定したネットワークは最低限整えておく必要があります。
<オンライン面接スペースに求められる要素>
- 高性能カメラ・指向性マイク・反響しにくい音環境
- 照明による顔の明るさ・印象の最適化
- 背景として使えるシンプルで清潔感あるデザイン
- 安定した高速通信(特に上り速度)
- 周囲の音を遮断する個室ブース
これらが不十分だと、候補者が企業に不安を抱きやすく、せっかくの面接機会が逆効果になることもあります。オンライン採用の“質”は、空間整備によって大きく改善できます。
(2)採用コンテンツを発信しやすい設備整備
採用広報が動画・配信中心に移りつつある今、オフィス内に撮影・収録しやすいゾーンをつくることは非常に有効です。ブランドウォールや適切な照明は、候補者へ企業の魅力を視覚的に伝える重要な役割を果たします。
たとえば、社員インタビューを撮影するスペース、ライブ配信に使える小型スタジオ、背景として使えるアートやロゴなどがあれば、採用ブランディングの質が大きく向上します。デジタル対応力は、広報・採用・社内コミュニケーションを横断して企業価値を高める“投資効果の高い領域”といえます。
6. Z世代の働き方に寄り添うレイアウトの工夫

Z世代は「柔軟性」「快適性」「選択性」を重視する働き方を求めています。そのため、オフィスレイアウトは固定的ではなく、社員が目的に応じて働く場所を選べる“可変性の高い空間構成” が理想です。
ここでは、Z世代が魅力を感じるレイアウトのポイントを3つの観点で整理します。
(1)固定席中心から“選べる席”への転換
Z世代は「今日は集中したい」「気分転換したい」「議論に参加したい」など、日々異なる働き方を自然に切り替えます。そのため、固定席のような一律的な配置よりも、自身のタスクに応じて席を選べる環境を好みます。
<Z世代が評価しやすい“選べる席”の例>
- 没頭できる集中ブース(個室/半個室)
- カフェ風のリラックスエリア
- チームで集まりやすいプロジェクトテーブル
- オンライン会議専用ブース(遮音性重視)
- 立ち作業ができるスタンディングデスク
こうした多様な席種があることで、Z世代は自分の働くペースを調整しやすくなり、自主性・生産性・満足度が高まります。
(2)チームコラボレーションを促進する空間づくり
Z世代は“共創”を価値と感じる傾向が強く、自然と集まって議論できる環境が働きやすさにつながります。ホワイトボードの壁面化や可動式家具は、議論の立ち上がりを早め、チームのコミュニケーションを円滑にします。
また、開放感のあるラウンジやプロジェクトスペースは、アイデアの共有がしやすく、コミュニケーションの質を高める効果があります。「何も準備しなくても議論が始められる」という状態は、Z世代にとって大きな魅力です。
(3)“気分の切り替え”を生む環境が生産性を高める
Z世代はON・OFFの切り替えがうまくできるほど集中力が高まると言われており、レイアウトの中に気分転換できる仕掛けがあることが重要です。たとえば、休憩専用エリア、植物を多用したスペース、軽いストレッチができるゾーンなど、精神的なリフレッシュができる環境は働くモチベーションに直結します。
<気分転換がしやすい環境の例>
- リラックスできるソファラウンジ
- 緑量の多いバイオフィリックデザイン
- 軽運動ができるフリースペース
- 静かに休める“クールダウンルーム”
- 気分を整える照明演出(調光・調色)
これらは単なる休憩スペースではなく、Z世代のパフォーマンスを引き出す“生産性向上の仕組み”として機能します。
7. “企業の魅力が伝わる導線”を設計する

採用候補者がオフィスを訪れたときに歩く導線は、単なる「移動経路」ではなく、企業の印象を形づくる重要なコミュニケーション要素です。
Z世代は視覚情報や体験から企業文化を判断する傾向が強いため、入口から会議室までの流れが“企業の物語”を伝えられるように設計することが採用効果を大きく左右します。
(1)エントランスから会議室までの一貫した体験設計
受付から会議室に向かうまでの空間に統一したデザインやメッセージがあると、候補者は無意識のうちに企業の価値観や姿勢を感じ取ります。たとえば、受付に置かれたロゴ、壁面のメッセージ、アート、照明のトーンが連続していると、企業の世界観が自然と伝わり、安心感や期待感を高めます。
さらに、会議室へ向かう途中に社内文化を象徴するエリアが見えるよう工夫すれば、候補者は“この会社ではどんな人が働いているのか”をイメージしやすくなります。一貫性ある導線は、ブランド体験として非常に強い印象を残します。
(2)社員の雰囲気が見える導線が好印象につながる
Z世代は「どんな人と働くか」を採用基準として重視するため、執務エリアの雰囲気が適度に見える導線は強い魅力になります。働いている社員の様子やコミュニケーションの温度感が視覚的に伝わることで、企業文化への理解が深まり、心理的な距離が縮まります。
また、あえてオープンな作業エリアやラウンジを導線上に配置することで、候補者は企業の日常をリアルに感じることができます。閉鎖的な導線ではなく、“働く姿”が見える設計にすることで、候補者に「ここで働きたい」と思ってもらう効果が高まります。
8. まとめ

採用強化における“見せるオフィス”の重要性は、単なるデザイン性の向上ではなく、企業の世界観・働き方・文化を総合的に伝えるための空間づくりにあります。
特にZ世代は視覚や体験から企業を理解する傾向が強いため、オフィス自体が強力なメッセージ発信の場となります。企業は、ブランドを体現するデザイン、SNSで魅力が伝わる仕掛け、柔軟なレイアウト、デジタル対応など、複数の要素を組み合わせて“選ばれるオフィス”を構築することが求められます。これらが実現できれば、候補者に強い印象を残し、定着率やエンゲージメント向上にも寄与します。
オフィスは企業の未来を形づくる重要な資産です。採用戦略と連動させながら空間をアップデートすることで、企業文化をより深く伝え、優秀な人材が集まる環境をつくることができます。
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