【内覧】賃料が高くても選ばれるビルの共通点|オフィス選びで企業が求める価値とは
1. 「高い=敬遠される時代」が終わりつつある背景
オフィスビルの賃料は企業にとって大きな固定費ですが、近年、賃料が高くても選ばれるビルが確実に増えています。
この背景には、単なるワークスペースとしての機能ではなく、企業の成長・採用・ブランド力強化に直結する“戦略的な価値”が求められていることがあります。
特にハイブリッドワークが拡大した今、一人あたりの出社頻度が下がったからこそ「出社する価値のある空間」「顧客に選ばれる拠点」が選ばれるようになっています。つまり、安さではなく“価値”でオフィスを判断する企業が増えているということです。
本記事では、賃料が高くても選ばれ続けるビルに共通する要素を整理し、企業がどのような視点で物件を評価しているのかを解説します。
2. 立地の強さ

高賃料ビルが継続的に選ばれる最大の理由は、やはり立地そのものが企業活動の効率と価値を大きく左右する点にあります。立地の良さは毎日の通勤だけでなく、商談・採用・営業活動・社内外の移動時間など、あらゆる業務の生産性に波及する“投資効果の高い要素”です。
さらに、立地が良いだけで企業イメージが向上し、「この会社はしっかりしている」という印象を与えやすい点も無視できません。
駅からの近さが企業価値に直結する
徒歩2〜3分圏内のビルは特に選ばれやすく、天候の影響を受けにくいため、社員の負担軽減と顧客の来訪しやすさに大きく寄与します。
アクセスの良いオフィスは、自然と人が集まりやすく、商談や社内会議の効率も高まります。
主要路線・ターミナル駅の強さ
複数路線の利用が可能なターミナル駅近くは、人材採用にも強みがあります。応募者が通いやすい立地であることは、採用活動全体の成果にも直結し、辞退率の低減にもつながります。
企業にとって「どこからでも来やすい場所」であることは大きなメリットです。
周辺環境がブランド価値を高める
銀行、飲食店、商業施設、コンビニなどが揃うエリアは、企業活動に必要な機能が徒歩圏内で完結します。周辺環境の良さは社員の満足度を高めるだけでなく、来訪者にも安心感と好印象を与えるため、高賃料でも価値を感じやすいポイントです。
3. ハイグレードな共用部とビル仕様

企業が来客対応やブランドイメージを重視するほど、ビルの質は重要になります。
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項目 |
内容 |
企業から評価される理由 |
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外観・エントランスの高級感 |
ガラスファサード、広いエントランスロビー、重厚感のある素材 |
第一印象が向上し、来訪者・候補者に信頼感を与える。企業ブランドの価値を自然に補強する。 |
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ビルスペック(基本性能) |
高天井、OAフロア、遮音性の高い壁・天井、柔軟なグリッド天井、フレッシュエアの多い空調 |
快適性が高まり、社員の集中度や生産性が向上。設備の質が高いほど長期的なオフィス運用がしやすい。 |
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共用部の充実度 |
エレベーター台数、廊下幅、トイレの清潔さ、共用ラウンジ、セキュアなエントランス |
来訪者対応の品質向上、混雑やストレスの軽減、清潔な印象による企業評価の向上。 |
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メンテナンス品質 |
共用部の清掃レベル、空調・電気設備の保守状況、定期点検の頻度 |
トラブルが少なく、業務への影響が最小化される。管理が行き届いたビルは企業満足度が高い。 |
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デザインの一貫性 |
ロビー・廊下・各階のサイン・照明などが統一されたデザイン |
空間全体の質が高く見え、企業の来訪者に“格のあるビル”という印象を与える。 |
高品質な共用部とビル仕様は、来訪者の印象を高めるだけでなく、社員の働きやすさや生産性にも直結します。
こうした“見えない価値”が高賃料でも選ばれる理由をつくり出しているのです。
4. セキュリティと災害対策

企業がビルを選ぶ際、セキュリティと災害対策は年々重要度が高まっています。特に来訪者の出入りが多い企業や、ITシステムに依存した業務を行う企業にとって、ビルそのものの安全性は事業継続に直結する要素です。
賃料が高くても選ばれるビルは、標準仕様のレベルが明らかに高く、「安心して働ける環境」を提供している点が共通しています。
(1)高度なセキュリティレベルが標準化されている
ハイグレードビルでは、来訪者管理・監視システム・夜間警備などが体系的に整っており、安心感の違いは一目瞭然です。
◆入退館管理システム
:社員証やICカード連動で、フロアごとにアクセス制御が可能。
◆エレベーターセキュリティ
:カード認証がないと目的階に到達できず、不審者侵入を大幅に抑制。
◆監視カメラ・巡回体制
:共用部・エントランス・駐車場など人の動きが多い場所も高水準で監視。
こうした仕組みは、顧客情報や機密情報を扱う企業にとって大きな安心材料となります。
(2)災害に強い構造と設備が揃っている
高賃料ビルに共通するもう一つの軸が“災害への強さ”です。
新耐震基準は当然として、それ以上の耐性を備えたビルが選ばれています。
◆免震・制震構造の採用
:揺れを最小限に抑え、室内被害や転倒リスクを軽減。
◆非常用発電機の存在
:停電時でも一定時間の電力供給が可能で、在館者の安全確保と最低限の業務継続が可能。
◆防火・防煙設備の充実
:最新型のスプリンクラーや防火区画設計で、火災発生時の被害を最小化。
災害発生時に“トラブルが起きにくいビル”であることは、企業のBCP上極めて大きな価値を持ちます。
(3)継続的なメンテナンス・点検体制が整っている
ハイグレードビルの特徴は、設備を「導入して終わり」にせず、管理会社が日々メンテナンスを徹底している点です。空調や電気設備の不具合が少ないだけで、社員のストレスは大きく減り、トラブルによる業務停止リスクも抑えられます。
<設備管理・更新サイクルの評価ポイント>
- 定期点検の頻度が高い
- トラブル発生時の対応が迅速
- 設備の更新サイクルが短く、古さを感じさせない
こうしたレベルの高さは、中長期的にオフィスを構える企業にとって「価値として積み上がっていく要素」です。
セキュリティと災害対策が優れたビルは、企業の“事業基盤を守る力”が高いと言えます。
情報漏えいリスクの低減、災害時の被害抑制、業務中断の防止など、長期的な安心と生産性向上につながるため、結果的に「賃料の高さ以上に価値があるビル」として選ばれ続けるのです。
5. オフィスの柔軟性と拡張性

高賃料ビルが選ばれる理由の中でも、企業が強く重視するのが「柔軟性」と「拡張性」です。事業を取り巻く環境が変化し続ける現代では、“今ちょうどいいオフィス”よりも“今後の変化に適応できるオフィス”が評価されます。
成長フェーズの企業ほど、この点を最重要視する傾向が顕著です。
(1)レイアウト自由度が高いビルは運用コストを下げる
フロアの形状が整っているビルや、柱位置・設備位置が使いやすいビルは、レイアウトの自由度が高く、長期的に見て運用コストを大きく削減できます。特に OA フロアの高さや配線のしやすさ、グリッド天井の柔軟性は、席数増加や会議室の増設などが必要になった際にスムーズな対応を可能にします。
レイアウト変更のたびに大掛かりな工事が必要なビルは、結果的にコストが増え、業務の停滞リスクも高まるため、企業からは避けられがちです。
(2)同一ビル内で増床しやすいことが大きなメリット
成長を続ける企業にとって、もっとも負担になるのが“短期間での再移転”です。そのため、高賃料ビルでも 同一ビル内で別フロアへの増床がしやすい物件が好まれます。
同じビル内で増床できれば、メリットは非常に大きくなります。
<メリット>
- 移転コストが大幅に下がる
- 社員の動線が変わらない
- 来訪者の案内も容易
- ネットワークやセキュリティの再構築が不要
“成長を前提に選べるビルかどうか”は、企業の視点から見た重要な判断軸です。
(3)セットアップ区画や家具付き区画のニーズが増加
近年特に需要が高まっているのが、すぐに使える状態の「セットアップオフィス」や「家具付き区画」です。人員増や新規プロジェクトが多い企業ほど、短期間での拠点立ち上げを求めるため、内装工事や設備準備の手間を省略できる点が高く評価されています。
セットアップ区画は、以下のメリットがあります。
<メリット>
- 初期費用を抑えられる
- 入居までの期間が短縮できる
- レイアウトの失敗リスクが低い
成長スピードの速い企業にとって極めて相性の良い選択肢です。
企業の組織規模や働き方は常に変化します。だからこそ、高賃料ビルであっても、レイアウトの自由度・増床しやすさ・即入居性といった“柔軟性と拡張性の高さ”が評価され、選ばれ続けています。
長期的な視点で見れば、こうしたビルは結果的にコスト優位性を持ち、企業成長を後押しする“戦略拠点”となるのです。
6. 充実した周辺サービスと利便性

高賃料ビルが選ばれる理由のひとつに、周辺環境の利便性があります。
社員が日常的に利用する施設が揃っていることは、働きやすさや満足度に直結し、長期的な生産性にも影響を与えます。
(1)飲食店やカフェの充実度が日々の満足度を左右する
ランチや休憩に利用できる飲食店が豊富なエリアは、社員にとって大きなプラス要素です。選択肢が多いことで混雑を避けやすく、外出のストレスも軽減されます。
カフェが充実している場所は、商談や外部打ち合わせにも便利です。
(2)コンビニ・ドラッグストアなど生活利便施設の近さ
ちょっとした買い物や急な備品調達がすぐにできる立地は、想像以上に働きやすさに影響します。社員が「仕事に集中できる環境」と感じるための基盤とも言える要素です。
(3)銀行・郵便局など業務に直結する施設の存在
経理・総務・営業など、日々外部との手続きを伴う業務が多い企業にとって、銀行や郵便局が近くにあることは業務効率に直結します。
外回りが多い職種でも、オフィス周辺で作業がすべて完結しやすくなり、移動時間の削減にもつながります。
周辺サービスの充実度は、一般的には見落とされがちですが、日々の働きやすさや企業の魅力を底上げする大切な要素です。
高賃料ビルが選ばれる背景には、この“働く人の快適性を支える環境力”が大きく影響しているのです。
7. 管理品質の高さ

ビルの管理品質は、日々の業務に直結する重要な評価軸です。どれほど設備が整っていても、管理が不十分なビルは不具合が多く、ストレスや業務停止のリスクを生みます。
反対に、管理体制が優れたビルはトラブルが少なく、企業の生産性を支える“見えない競争力”を持っています。
(1)清掃・衛生管理が行き届いているか
共用部・トイレ・エントランスの清潔さは、オフィスの印象に大きく影響します。高級ビルほど清掃スタッフの配置数や巡回頻度が高く、常に整った状態を保っています。
来訪者にも好印象を与え、社員にとっても快適に働ける基盤となります。
(2)設備トラブルに対する対応スピード
空調の不具合、電気系統の障害、水回りのトラブルなどは、業務を止める原因になりかねません。管理品質の高いビルでは、問題が発生しても影響を最小限に抑える体制が整っています。
<運営サポート体制>
- 連絡窓口が明確
- 管理会社の常駐スタッフが迅速対応
- 定期メンテナンスが徹底
迅速な対応体制が整っているビルほど、企業は安心して日常業務に集中でき、その価値は賃料以上の効果をもたらします。
(3)管理会社のレベルが満足度を左右する
建物そのものが優れていても、管理会社の姿勢によって入居者の満足度は大きく変わります。問い合わせへのレスポンスの速さ、柔軟な姿勢、提案力など“人の対応力”が評価されやすく、長期入居を決める企業も少なくありません。
高賃料ビルが支持される背景には、この管理レベルの高さが確かに存在します。
管理品質が高いビルは、日々の小さなストレスを減らし、トラブルによる業務中断を防ぎます。
働く環境が安定していることは、企業にとって大きな価値であり、高賃料であっても選ばれる理由となるのです。
8. まとめ

賃料が高いビルが選ばれる理由は、単に設備が豪華だからではありません。
そこには、立地の利便性やブランド価値の向上、来訪者への印象、社員の生産性向上、BCP(事業継続)の強化といった、企業活動に直結する実質的なメリットが存在します。企業の視点で見れば、高賃料ビルは「コスト」ではなく「成長のための投資」であり、費用以上の価値を生み出す存在です。
また、良質なビルは長期的に見ても運用リスクが低く、設備不具合や管理の不備による業務停滞やストレスが起きにくい点も特徴です。結果として、従業員満足度の向上や採用力の強化、商談の成功率向上など、企業の競争力を底上げする効果が期待できます。
オフィスは企業の「顔」であり、「基盤」であり、そして「戦略拠点」です。だからこそ、企業は賃料だけで判断するのではなく、総合的な価値を見極めてビルを選んでいます。本記事が、オフィス選定の基準を考える上での一助となり、貴社の今後の拠点戦略において有益な視点を提供できれば幸いです。
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