【移転】オフィス移転の手続きとスケジュール管理ガイド 失敗しないための実務ポイントをわかりやすく解説
1. オフィス移転は“情報戦”
「オフィス移転って、いつから動き始めればいいんだろう?」
「手続きが多すぎて、どこから手をつけていいかわからない」
こんな声をよく聞きます。実は、オフィス移転は“引っ越し”というよりも、社内外の調整と手続きの連続です。段取りがうまくいけばスムーズに終わりますが、計画が後手に回ると、業務が止まるリスクさえあります。
この記事では、企業の総務・バックオフィス担当者が安心して進められるように、移転の流れ・手続き・スケジュール管理のコツを体系的にまとめました。実務に即した内容なので、初めての方でも迷わず計画できます。
2. オフィス移転の基本プロセス

オフィス移転には、大きく分けて「計画」「物件選定」「契約」「設計・工事」「引越し」「アフター対応」の6ステップがあります。
それぞれのステップの目的を理解しておくと、全体の流れがスムーズになります。
ステップ1:移転計画の立案
まずは、移転の目的と条件を明確にすることが最優先です。
「人員増加」「コスト削減」「立地変更」など目的によって理想のオフィス像が大きく変わります。
同時に、予算・エリア・入居時期・面積を整理しておきましょう。
ステップ2:物件探し・内覧
希望条件をもとに、複数の不動産会社へ相談します。
この時期はスケジュールが最も動くため、候補を3〜5件に絞って内覧・比較するのがポイントです。
ステップ3:契約・解約手続き
新オフィスの契約と同時に、現在のオフィスの「解約通知」を行います。
多くの契約では6か月前予告が必要なため、早めの確認が欠かせません。
ステップ4:内装設計・工事
新オフィスの図面をもとに、レイアウト・家具・ネットワーク配線を設計します。
施工期間を含めて2か月ほど余裕を見ておくと安心です。
ステップ5:引越し・設置
引越し業者を手配し、IT機器や電話回線の移設をスケジュール化します。
業務停止を最小限に抑えるため、週末や休業日を活用した引越しが理想です。
ステップ6:アフター対応
引越し後は、郵便・銀行・税務署・取引先などへの住所変更手続きが必要です。
また、原状回復工事や保証金精算も忘れずに確認しましょう。
移転の全体像を把握することで、スケジュールの遅延や抜け漏れを防げます。
まずは「いつまでに」「何を」「誰がやるか」を明確にしておくことが成功のカギです。
3. 失敗しないためのスケジュール管理とコツ

オフィス移転では、「もっと早く動いておけばよかった」という声が最も多いです。
ここでは、時系列でのスケジュール例を紹介します。
|
時期 |
主なタスク |
|
約12〜6か月前 |
目的の明確化・条件整理・予算決定・不動産会社選定 |
|
約6〜3か月前 |
物件内覧・契約手続き・現オフィス解約通知・内装設計開始 |
|
約3〜1か月前 |
工事・通信環境準備・引越し業者手配・社内説明会 |
|
約1か月前〜当日 |
荷造り・回線切替・設備チェック・新オフィス立ち上げ |
|
移転後 |
各種変更届出・原状回復・請求書精算 |
スケジュール管理のコツ
コツ1:ガントチャートで全体を“見える化”する
移転は多くの工程が並行して進むため、全体像を把握することが重要です。ガントチャートやスケジュール管理ツールを活用し、誰が・いつ・何を行うのかを一覧化しましょう。工程の重なりや遅延リスクが明確になり、タスクの優先順位を付けやすくなります。
コツ2:“社内タスク”と“外部タスク”を分けて管理する
オフィス移転では、社内の準備と外部業者との調整が同時進行します。これらを同じリストで管理すると、抜け漏れの原因になります。「社内調整(レイアウト・備品・社内連絡)」と「外部手配(回線・工事・引越し)」を分けて管理すると、担当範囲が明確になり、業務効率が大幅に向上します。
コツ3:決裁者・担当者を早期に確定する
意外と見落とされがちなのが、社内承認ルートの確認です。レイアウト決定や契約締結には上長・経営層の承認が必要なため、誰が最終決裁者なのかを早い段階で明確にしておくことが重要です。特に大企業の場合、承認フローの遅延が全体スケジュールに大きく影響します。
オフィス移転は早期のスケジュール策定と情報共有体制の構築が成功の鍵となります。
各タスクの進行状況を定期的に確認し、リスクを想定した上で余裕をもった工程管理を行うことで、円滑かつ確実な移転を実現できるでしょう。
4. 現場で押さえるべき実務ポイント

計画を立てた後は、実際に“現場で進行を管理する段階”に移ります。このフェーズでは、スケジュール通りに進めるための調整力と確認作業が重要です。
社内外との連携が複雑になるため、ポイントを押さえておくことでトラブルを防ぎ、効率的に移転を完了できます。
社内連携を強化する
オフィス移転では、総務・情報システム・人事・経理など複数の部門が関わります。部門ごとのタスクを明確にし、定期的な進捗共有の場を設けることが成功のカギです。
チャットツールなどを活用し、情報を一元化しておくと混乱を防げます。
業者との調整を計画的に行う
内装工事・引越し・通信回線・家具など、複数の業者が同時に動くため、スケジュールの重複や工程の抜け漏れが起きやすい点に注意が必要です。業者ごとに納期と作業範囲を整理し、調整担当者を一人に固定しておくと効率的です。
また、見積書は必ず「作業内容」「人件費」「諸経費」の内訳を比較しましょう。後になって追加費用が発生するケースを防ぐことができます。
備品・レイアウトを事前に確定しておく
什器や設備の配置は、工事スケジュールにも直結します。移転直前の変更はコスト増や工期延長につながるため、図面確定の期限を明確にしておくことが大切です。
備品リスト(デスク・チェア・ロッカーなど)をエクセル等で共有し、数量・サイズを統一して管理しましょう。
IT・ネットワーク環境の確認を怠らない
業務に直結するのが、通信・サーバー・ネットワーク機器の移設です。特にクラウドサービスやVPNを利用している場合、開通が遅れると業務が停止するリスクがあります。
現オフィスと新オフィスのネットワーク構成を図で整理し、以下を事前に確認しましょう。
- インターネット回線の開通予定日
- 電話番号・FAX番号の移設スケジュール
- 社内Wi-FiのSSID・パスワード変更手順
- セキュリティ設定(ファイアウォール・アクセス制御)の更新
現場作業のチェックリストを用意する
引越し前後は、確認すべき事項が膨大です。
現場立ち会い時には、チェックリスト形式で確認漏れを防ぐのが有効です。
|
チェック項目 |
状況 |
担当者 |
|
内装工事完了(壁・床・照明) |
□ 完了 / □ 未完 |
|
|
電話・LAN配線確認 |
□ 完了 / □ 未完 |
|
|
家具設置完了 |
□ 完了 / □ 未完 |
|
|
ネットワーク接続テスト |
□ 完了 / □ 未完 |
|
|
原状回復工事立会い日確定 |
□ 完了 / □ 未完 |
オフィス移転の現場管理では、計画・調整・確認の3点が要です。
各工程の責任者と進行状況を明確にし、問題が起きた際に即時対応できる体制を整えることで、スムーズで確実な移転を実現できます。
5. 手続き関係チェックリスト

移転時の手続きは想像以上に多岐にわたります。
抜け漏れを防ぐため、次の4カテゴリで整理しておくと便利です。
✔官公庁関連
□ 税務署・都道府県税事務所・市区町村への「異動届」
□ 社会保険・労働保険の住所変更手続き
□ 法務局への登記住所変更(登記簿上の所在地)
✔金融・契約関係
□ 銀行・カード会社の登録住所変更
□ リース・保険契約の住所変更
□ 郵便物転送(日本郵便の転送届)
✔社内・取引先関連
□ 名刺・封筒・HP・メール署名の更新
□ 取引先・顧客への移転通知
□ 社内システムの住所情報変更
✔インフラ関連
□ 電気・水道・ガス・インターネット回線の移転・開通
□ 電話番号の移設・新番号登録
□ セキュリティ・入退室システムの設定変更
手続きは「移転後でもできるもの」と「事前に完了しておくべきもの」を区別しましょう。
特に登記や回線開通は時間がかかるため、早めの対応が重要です。
6. コストを抑えるためのポイント

オフィス移転では「想定外の出費」が起きやすいものです。
以下の3つを意識するだけで、費用を大幅に抑えられます。
1:原状回復費を事前に確認する
退去時の原状回復は高額になるケースが多いです。契約書に明記された範囲を確認し、見積もりを複数取得しておきましょう。
2:引越し・内装をまとめて依頼しない
ワンストップ業者は便利ですが、すべてを一社に任せるとコストが上がりがちです。内装と引越しを分けて比較することで、費用を10〜20%削減できることもあります。
3:備品・家具は再利用を検討する
全て新調する必要はありません。現オフィスの家具・什器を活かすことで、無駄な購入費をカットできます。
コスト管理は「見積もりの比較」と「早めの準備」が基本です。金額だけでなく、対応範囲・納期も含めて検討することで、納得の移転が実現します。
7. まとめ

オフィス移転は、単なる引っ越し作業ではなく、企業の組織体制や働く環境を見直す重要なプロジェクトです。多くの関係者や工程が関わるため、計画性・情報共有・リスク管理の3点を意識した進行が不可欠となります。
特に、スケジュールの見える化や関係部署との連携を早期に整備しておくことで、予期せぬトラブルや業務への支障を未然に防ぐことができます。また、手続きやコスト管理も「後から対応する」のではなく、全体の流れを把握したうえで事前に着手する姿勢が求められます。
オフィス移転は、企業の新たなステージへの出発点でもあります。計画的かつ組織的に進めることで、社員が安心して働ける環境を整備し、今後の事業発展へとつなげていくことができるでしょう。
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